一つの殺人事件をめぐり、関係者たちの証言が食い違い、真相が分からなくなる短編小説です。
藪の中で武士の死体が発見されます。検非違使の取り調べに対し、木こり、旅の法師、盗人の多襄丸、武士の妻、そして巫女の口を借りた武士の霊が、それぞれ証言します。
多襄丸は「自分が決闘で殺した」と、妻は「自分が夫を刺した」と、武士の霊は「自分で自害した」と語り、三者の話は完全に食い違います。
真相は最後まで明かされません。1922年に発表された作品で、黒澤明監督の映画『羅生門』の原作としても知られます。
「藪の中」は、真実が一つではないことを描いた芥川龍之介の代表作です。
作品は青空文庫で無料で読むことができます。