北原白秋の第一詩集は『邪宗門(じゃしゅうもん)』です。1909年(明治42年)3月、白秋が24歳のときに刊行されました。
『邪宗門』は、キリシタン渡来の南蛮趣味と、色彩・香り・音を過剰なまでに詰め込んだ官能的なイメージにあふれた詩集です。「われは思ふ、末世の邪宗、切支丹でうすの魔法。」で始まる巻頭詩がよく知られ、それまでの日本の詩にはなかった異国情緒とけだるい耽美の世界をつくり出しました。
この一冊で白秋は一躍詩壇の中心に立ち、以後は第二詩集『思ひ出』(1911年)で故郷・柳川の水郷を叙情豊かに描き、歌集『桐の花』(1913年)では短歌でも高い評価を得ます。詩・短歌・童謡のすべてで第一線に立った、近代日本でも稀有な国民的詩人です。
検索では「北原白秋の第1刺繍のタイトルは」という表記で調べられることがありますが、これは音声入力や変換の誤りで、正しくは「第一詩集」です。答えはいずれも『邪宗門』になります。
なお「第一詩集は何か」はクイズ番組や国語の授業でよく問われる定番の問題です。同じく詩人の第一詩集としては、萩原朔太郎『月に吠える』(1917年)、島崎藤村『若菜集』(1897年)もあわせて覚えておくと役に立ちます。