樋口一葉の本名は樋口奈津(ひぐち なつ)です。「夏子」とも名乗りました。現在の五千円札の肖像に採用されています。
1872年(明治5年)、東京府内幸町に生まれました。父の死後、17歳で戸主となって母と妹を養う立場になり、生涯を貧困のなかで過ごします。
中島歌子の歌塾「萩の舎」で和歌と古典を学び、そこで培った擬古文の素養と、下谷龍泉寺町で荒物・駄菓子屋を営んだ庶民生活の体験が結びついて、『たけくらべ』『にごりえ』『十三夜』などの傑作が生まれました。とくに晩年の1年余りは「奇跡の14か月」と呼ばれ、代表作が集中しています。
「一葉」という号は、達磨大師が一枚の葦の葉に乗って川を渡ったという故事にちなみ、「お足(お金)がない」という自嘲を掛けたものと伝えられます。1896年、結核のためわずか24歳で亡くなりました。作品は青空文庫で無料で読むことができます。