「梶井基次郎(かじい もとじろう)」は本名です。ペンネームではなく、生涯この名で作品を発表しました。1901年(明治34年)に大阪市に生まれ、1932年(昭和7年)に肺結核のため31歳(満年齢)で亡くなっています。
「がじいもとじろう」と検索されることがありますが、正しい読みは「かじい もとじろう」です。姓の「梶井」は濁らず「かじい」と読みます。
梶井基次郎は大阪の造船技師の家に生まれ、京都の第三高等学校を経て東京帝国大学英文科に進みますが、ほとんど通学せず中退しています。三高時代の仲間と同人誌「青空」を創刊し、そこに発表した『檸檬(レモン)』(1925年)が代表作となりました。丸善の書棚に一個のレモンを置いて立ち去るこの短編は、青春の憂鬱と鋭い感覚描写で知られ、今も高校国語の定番教材です。
生前に刊行した作品集は『檸檬』(1931年)ただ一冊で、収録作は20編ほど。『城のある町にて』『冬の日』『櫻の樹の下には』『闇の絵本』『のんきな患者』など、いずれも短い作品ばかりですが、日本語の描写の精度という点で高く評価され、三島由紀夫や中谷孝雄ら後進に大きな影響を与えました。20歳で結核と診断され、療養しながら書き続けた末の早すぎる死でした。
梶井基次郎の作品は青空文庫ですべて無料で読むことができます。