街の高い柱の上に立つ「幸福の王子」の像は、体を金箔で覆われ、目にはサファイア、剣の柄にはルビーが輝いています。南へ渡る途中で像の足元に宿ったツバメは、王子が街の貧しい人々の姿を見て涙を流していることを知ります。
王子の頼みを受けたツバメは、ルビーやサファイア、体を覆う金箔を一つずつ貧しい人々のもとへ届けていきます。やがて王子はみすぼらしい姿になり、ツバメも冬の寒さに力尽きますが、二人の行いは天に認められます。
作者のオスカー・ワイルド(1854〜1900)はダブリン生まれ。唯美主義を代表する作家で、小説『ドリアン・グレイの肖像』でも知られます。『幸福の王子』は童話集『幸福の王子 他』(1888年)の表題作で、青空文庫には結城浩の翻訳が収録されています。