パリのモルグ街で、母娘が惨殺されるという異様な事件が起こります。部屋は内側から閉ざされ、犯人の出入りした形跡がありません。新聞で事件を知った在野の分析家オーギュスト・デュパンは、友人である語り手の「私」とともに、警察とは異なる推理で真相に迫ります。
密室、天才的な探偵、凡庸な警察、探偵の友人が語り手を務める構図など、のちの推理小説の基本形がこの一作に出そろっています。コナン・ドイルのシャーロック・ホームズや、日本の江戸川乱歩の明智小五郎にも大きな影響を与えました。
作者のエドガー・アラン・ポー(1809〜1849)はボストン生まれ。怪奇小説と推理小説の両方の先駆者で、江戸川乱歩のペンネームの由来になった作家としても知られます。青空文庫に収録されているのは佐々木直次郎による翻訳です。