弁護士ヘルメルの妻ノラは、幸せな家庭の「人形」のように夫に可愛がられています。しかしノラは、かつて夫の病気を救うために、ひそかに借金をしていました。その秘密が明るみに出たとき、夫は妻を厳しく責め、ノラは自分が一人の人間として扱われてこなかったことに気づきます。
ラストでノラが家を出ていく場面は、当時のヨーロッパ社会に大きな衝撃を与え、女性解放や近代劇の象徴的な作品となりました。日本でも明治末から大正にかけて上演され、大きな反響を呼びました。
作者のヘンリック・イプセン(1828〜1906)はノルウェーの劇作家で、「近代劇の父」と呼ばれます。青空文庫には、日本の新劇運動の先駆者である島村抱月による翻訳が収録されています。