アヒルの母親が育てた卵のひとつから、ほかのひなとは違う大きくて灰色のひなが生まれます。「みにくい」と仲間からいじめられ、家族のもとにもいられなくなった子は、農家や沼地など各地をさまよいながら、つらい冬を耐え抜きます。
春になって水辺に降り立った子は、水面に映る自分の姿を見て驚きます。そこにいたのは、美しい白鳥の姿でした。見た目で人を判断することの愚かさと、困難に耐えた先にある成長を描いた物語として、世界中で親しまれています。
作者のアンデルセン(1805〜1875)自身が貧しい靴職人の家に生まれ、苦労して作家になった人物であり、この物語は作者の人生を重ねたものとも言われます。1843年に発表され、青空文庫には矢崎源九郎の翻訳が収録されています。